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⑤DMの各要素について
DMのかたちはさまざまなものがあります。ハガキ、封筒入り、箱物、厚さのある物、カタログなどの中からお客様に見てもらえるものを選んで作成していきます。
成功するDMを作成するには、きちんとした計画を立てて適切なものを考案することが求められます。
例えば、コピーはどのように書くか、レターの折り目は適切かといったことや、サイズや形状の工夫などによって受け手の目にとまるように工夫する必要があります。
DMを構成する各要素について注目して、効果的なDMの計画作りについて考えていきましょう。
・外封筒
DMの封筒には、見てもらえる仕掛けをすることが肝要です。ごみ箱行きにならないように、お客様の気持ちをぐっと引き寄せるように画策する必要があります。本当に種も仕掛けもなければ、手品はできません。インパクトのある刺激を求めて手品やサーカスを見に行くように、DMの外観も魅力的に演出しましょう。
封筒の開封率をあげるためには、外封筒のデザインを工夫する必要があります。ここでポイントは、豪華な外観のDMの方が開封されるとはいえないという点です。
商品がカラフルに掲載されている封筒は目立ちますが、「何だ、宣伝か」と一瞥した段階で軽視してしまう傾向があります。
対象的に、茶色い封筒に「重要」と書かれていれば、役所などから重要な書類が届いたような緊迫感があります。
緊急性をもって開封し、中の情熱的なレターを見たとすればDMに対しての印象が良くなるといえるでしょう。
外封筒をシンプルにして何も書かないという方法もありますが、それよりも効果的なのは、消費者が興味を持つようなことば(コピー)を印字しておくことです。
コピーにもさまざまな種類があります。
商品やサービスの詳細は伏せておき、興味を惹くような文言(ティーザー・コピー)を載せておくことはティーザー・アプローチといわれ、読み手の注意を喚起する働きがあります。
「今すぐ中をご覧ください」「締切日があります」などはアクション・コピーといわれ、アクション(行動)を起こしてもらうために載せておきます。
アクション・コピーを用いるときは、締め切りについても記載すると効果的です。
アクション・コピーとデッドライン(有効期限)を併用し、「有効期限は○○日です。今すぐお申し込みを」といったように使うと、相乗効果が表れてアクションの動機づけになります。
また、デッドラインをさらに強調させるために、早期特典「アーリーバード」をつけるという手法もあります。
アーリーバードは「早起きは三文の得」が由来となっており、その期間限定で素敵な特典をお客様に進呈するという内容です。

・開封しやすい封筒を使用する
封筒を開けてもらうためには、気軽に開封したくなるような工夫が必要です。
食品や日用品などのいたるところに「切り目」や「開け口」がつけられています。わざわざハサミやペーパーカッターを持ってくるよりも、ワンタッチで開封できる方がその場で中身が見られる可能性が高いといえます。
封筒を工夫することにより、魅力的なDMを演出することができるため、開封率をあげることにつながります。
代表的な外封筒は以下の3種類です。
ミシン目入り封筒
「ここから切り離してください」とコピーがあると、つい開封してみたくなります。
開封口を目立たせることにより、どのような世代の方でも開けやすくなることが特徴です。
ワンタッチ・ジッパー封筒
お菓子の箱によく用いられているようなパターンです。
開封用のつまみを持って、直線または波形のミシンにそって開封していく形状です。
用がなくても「ピーッ」と開封してみたくなるような遊び心も呼び起こします。
OPP袋
ラッピングやDM発送用透明封筒として幅広く利用されています。
内容が一瞬で判別できることと、強度が強くDMの水濡れやふやけが防止できる点が特徴です。むき出しのDMと比較すると清潔感や高級感があり、商品の質を引き立てることにもつながります。
・手紙DM
現代は、商業用文章はパソコンが当たり前となっている時代です。
パソコンが普及し、色々なサイズや字体が手軽に作成できるようになっているため、すべてをパソコンに任せがちになってしまいます。
しかし、DMの効果を検証したときに、手紙DMの活用によるレスポンスの高さがパソコンの整然とした文字で作ったDMを上回ることがしばしば起こります。それは、なぜでしょうか。
その理由は2点があげられます。
1点目は、「手書きの手紙」を受け取ったお客様は、その字体から手紙の作成者を身近な存在と位置づけるためです。筆跡を見ることによって、整った字を書いているので几帳面そうに思われる、勢いのある字を書いているため決断力がありそうに感じられる、といったイメージをおぼろげに抱く傾向があります。
手書き文章によって、その商品やサービスに対する情熱やお客様に対する懇切さが読み手につたわりやすいことと、時間をかけてお客様を意識して書いたというパーソナル性が増すことが要因であるといえます。
2点目は、「差別化」と「意外性」です。
カラーカタログと簡単な送付状が1枚入ったA社と、カラーカタログ、商品へのこだわりと製作秘話を掲載した冊子、便箋数枚にわたる手書きの手紙が入ったB社の2社からDMを受け取ったとします。
A社とB社のどちらが「私のために送ってくれた」と感じられる内容でしょうか。
資料請求者への対応において、B社は他店との違いである「差別化」と、数枚もある手書き手紙の封入の「意外性」があります。比較すると、送付状1枚のA社よりもあたたかみが感じられるといえるでしょう。
多くのモノやサービスがあふれる社会で、他社との違いをお客様に伝え、購買意欲を促すような心理作戦を用いることが必要であるといえるでしょう。
手紙DMの中身が完璧でも、見てもらえなければ製作側の努力は水泡に帰してしまいます。力作が水の泡のようにはかなくなってしまわないために、他社とは違うという差別化を図る必要があります。
外封筒を意識してワンタッチで開けられる工夫をしたり、DMの中身を見せる・魅せるためにOPP袋を使用したりすると効果的です。
・「AIDA(アイーダ)の法則」
相手の感情を動かし行動させることに効果的だといわれている理論に「AIDA(アイーダ)の法則」というものがあります。マーケティングや広告で用いられるこの理論は、1898年にセント・エルモ・ルイスが提唱した消費者の購買行動や心理過程のモデルです。
「AIDA」とは、それぞれの頭文字「アテンションのA(注意を引く)・インタレストのI(興味を抱かせる)・デサイアのD(欲望をかきたてる)・アクションのA(行動を起こさせる)」の頭文字を取ったものです。
この法則に基づいてDMやセールスレターを作成すれば反応がよいものが作れるといわれています。

お客様の注目を引くだけにとどまらず、我が物にしたいという自発的な欲望をかきたて、行動を起こさせるような広告をつくることが、成功するDM作りに欠かせない要素であるといえます。
「A」注意を引く文章では「おやっ?」と思わせるようなことばを用います。
「あなたは○○が起きていることをご存じですか?」
このように、相手が知らないであろうと推測されるような内容を冒頭に掲げていると目にとまります。
「I」興味を起こさせる文章では、「A」の具体的な事例や説明をあげます。
「アンケート調査によると実は○%の人がこのような悩みを抱えているという結果が出ました」注意を引くだけにとどまらず、興味を抱きます。
「D」欲求をかきたてるためには、悩みの解決策を提示するような文面にします。
「悩んでいるだけで対策が取られていないのが現状です。このような結果を未然に阻止することが必要なのです。そのためにおススメなのが○○です」
ここで商品名を出せば、さりげないアピールができます。
「A」行動を起こさせるためには、お客様が簡単に反応を返せるような文面を入れておきます。
「くわしい資料をお送りします。切手不要の返信ハガキを今すぐにご送付ください」
このように「切手不要」や「フリーダイヤル」などが目立つように書かれていれば、お客様は抵抗なく反応を返してくれます。
申込方法が整理されていれば行動が起こしやすくなりますが、それに加えて「数に限りがあります」「○月○日までに申し込まれた方に限り」などの限定性を強調することがレスポンスを高めます。
・お客様の声
「商品を買えば、本当に望みは叶うの?」
この証拠を見せる必要があります。
推理小説の犯人は、探偵に言います。「では、証拠を見せてください」
これが、お客様の心理です。
その証拠としてDMで使用するのが「お客様の声」です。
人は、第三者からの評価を信じます。
人は、自分と同じ境遇の人に共感します。
人は、多くの人が言っていることを信用します。
お客様が体験されたという要素を含んだことばをあげてみます。
「使用者の満足度95%」「○○を使用してから、○○ができるようになりました」
「あんなに悩んでいたのが嘘のようです」「上司や同僚にほめられるようになりました」
これらの声は、自社の長所を押しつけているわけではなく、使用された方の率直な意見なのです。それらの声を読んだ顧客(読者)は、自分と同じ境遇の使用者(書き手)に共感してその製品を信頼します。
これが証拠となり、レスポンスを返してくれる要素となるのです。
売れていることが暗に示されている商品・サービスに対し、私たちは個人の心理ではなく、集団の心理で考えるようになります。
歩行者信号が赤であったとしても他の人がわたっていればそれらに続いてわたるのは、なんとなく多数派に追随してしまうという集団心理が作用しているためです。

・DM活用のために
お客様がDMを受け取ったとき、売り出しであることに納得されなければ違和感を持たれます。どうして今回は売り出しがあるのか、なぜDMが送られてきたのかという理由をお客様へ明確に伝える必要があります。
DMを受け入れてもらいやすくするために、以下の要点を念頭にいれたDMを作成することがDM活用につながります。
①DM送付の大義名分を明確に伝える
(今回はどのような理由があって送られてきたのか)
②特別扱いしていることを伝える
(なぜ自分が選ばれたのか)
③お客様から見た「生活使用価値」を訴求する
(自分の生活に必要なものか)
DMにおける大義名分とは、「創業○○周年セール」「決算大売り出し」などの売り出す理由をつけることを表します。ただ「安い」というよりも「○○だから安い」と理由を提示した方が説得力を持たせることができるといえるでしょう。
また、日頃ご来店くださっている方への優待や、商品をご購入くださった方への特別割引など、自分が選ばれた理由をつけることも一案です。
売り出し品があったとしても、それがお客様の生活に関わりがあるものかという点も大切です。生活に必要があるものほどすぐに購入したくなります。逆に必要がないものは後回しになってしまいがちです。お客様が生活する上で必要だと感じさせるDMをデザインすることが売上アップにつながります。
DMに生活感を出すための手法として、経営者や社員の写真・イラストを入れることがあります。
スーパーマーケットの青果コーナーで、名前と写真入りの野菜が販売されていますが、どのような人が作っているのか、こんな人が責任をもっているのかといった目に見える情報はお客様に安心感を与えます。
似顔絵のイラストが入った不動産チラシなどが流布しているのは、不動産に対して堅苦しいイメージを持たせないようにするためです。
販売員や職員の写真ではなくイラストを入れることにより、やさしく温和な印象を与える効果が期待できます。